みなさんは、自分の財産を誰にどれだけ渡すかを考えたことはありますか?生きている間に自分の意思表示をする方法はいくつかありますので、ぜひ今日ご紹介する内容を参考にしてみてください。
例えば、代表的なものとして生前贈与というものがありますが、これは生前に財産を渡すことをいいます。これとは別に亡くなった時に、あらかじめ取り決めていた財産を渡す死因贈与というものがあります。生前贈与が財産を生前に渡すことであるのに対して、死因贈与は死亡後に効力が発生する点で異なり、それにかかる税金も生前贈与は贈与税であるのに対して、死因贈与は相続税が課せられます。どちらの贈与も渡す側、もらう側の間で合意が必要であるとともに、事前に契約書の作成も必要になります。
別の方法として、遺言を作成する方法があります。死後に自分の財産を自由に処分できる点で死因贈与と似ていますが、贈与は渡す側、もらう側の間で契約を結ぶ必要がある一方で、遺言は渡す側、もらう側の間での合意は一切必要なく、一方的な意思表示によって財産を渡すことができるという点で大きく異なります。
また、遺言を利用することで、相続人以外の人や法人等に財産を渡すこともできます。このように遺言による贈与のことを遺贈といいます。遺贈には、包括遺贈と特定遺贈という2つがあります。例えば現金500万円をAさんへ、金沢市〇〇番の土地をBさんへ・・・といった具合に、財産の内容を個別に特定して遺贈したい場合は特定遺贈となり、財産を個別に特定しないで、配分割合を示して遺贈する場合は包括遺贈となります。
遺言は、満15歳に達すれば誰でも作成することができ、意思が変われば書き換えることもできます。ご自身が生涯をかけて築いた財産を有意義に活用してもらうため、意思表示をすることは大切なことです。相続をめぐり親族間で争うことを防ぐ方法の一つとして、遺言の作成を考えてみてはいかがでしょうか。